主人公、南方直也は、御恵名という田舎の村で生まれ育った。
そして、少年期の終わりに親と共に帝都へと越していった。
それから数年、直也は帝都でもちょっと名の知れた画家となった。
もともと彼には人には見えないものが見える、という能力があり、
“それ”を絵にしたところ、好評を博したのだ。
しかし、出世欲に乏しい直也は他の人間に追いまわされることに
疲れてしまった。
やがて彼は自分の故郷である御恵名村に戻ることを決意する。
 村についた直也は、幼馴染である眞鳥や緋文と再会し、
昔どおりの生活に戻っていた。
 村は直也が出ていったころとほとんど変わりなく、懐かしい
ままの姿でそこにあった。
 もちろん、変化した部分もあった。
いなくなった者も、新しく村に住みついたものもいた。
そんな中で、直也は診療所の医師、杉山尚樹とその娘、凛と
出会う。彼等もまた帝都から越してきたのだという。
 しかし、村に帰ってきて見たものは、そんな幸せな日常だけ
ではなかった。
 盤座という祭壇で月光を浴びて舞う少女あや。
奥の院に住んでいるという彼女は、どこか非現実的な雰囲気を
漂わせていた。
 人知れず妖と戦っている女性、ヴェーチェル。
妖に襲われていた直也を助けた彼女は、直也の目に興味を持ち、
交流を持ち始める。
 そんな非日常を含んだ生活の中、直也は彼女達と親しくなって
いく。
しかし、彼女達はそれぞれ数奇な運命を背負っていた。
見なければ幸せにすごせたかもしれない。しかし、直也の“眼”
はそれを覗いてしまう。世界の裏側にある幽夜のカタチを。

 


●佐伯乃 眞鳥
御恵名山にある佐伯神社の一人娘。
直也の幼馴染の一人。
ただし、直也よりいくつか年上なので、
直也にとっては姉代わりに近い。
誰にでもやさしい性格で、村人からの
信頼も厚い。
多少能天気なところもあるが、
基本的にはしっかりものである。
●あや
佐伯神社の上社に住んでいる不思議な少女。
幼い外見とは裏腹に、倦怠感と諦観を漂わせて
いる。
家族や友人はおらず、いつもひとりぼっちで空を
見上げている。
感情の起伏に乏しく、意志表示があいまい
なことが おおい。なお、村から世話係が
来て身の回りの世話をしている。
●葛城 緋文
御恵名村の村長の娘。
直也の幼馴染の一人。直也と
同年代で、常に直也を引きずり
まわして遊んでいた。勝気な性格で、
口より先に手が出てしまう。
が、面倒見がよく、団体のリーダーに
なることも多い。ただし、空回りして
自爆することも多い。
昔は、緋文が先頭を切って、直也が
続いて、眞鳥がフォロー、という構図が
多かった。
●ヴェーチェル
御恵名山の廃寺に居ついた外人さん。
正体は妖を狩る狩人。何かの調査のために
御恵名村にやってきたらしい。冷静沈着で、
常に理性的であろうとする。が、日常生活に
関することではかなり不器用……端的に言っ
てドジである。
●杉山 凛
村で唯一の医療施設「杉山診療所」の
一人娘。
帝都からこの村に引っ越してきたという少女。
明朗で快活、母との辛い別れを感じさせない
ようにいつもニコニコ笑っている強い娘である。
直也のことを「直にーさん」と呼び慕う。
ある事情により村人たちからは「呪われた子供」
として避けられているらしい。

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